• 望月 めぐみ MOCHIZUKI Megumi -縒合(よりあい)-

鳥アートヴィレッジ 特別出品作家

望月 めぐみ

MOCHIZUKI Megumi

profile

1978 神奈川県生まれ
2003 東京学芸大学 教育学部 D類美術工芸専攻 中退

〈 主な展覧会歴 〉

2014 「EWAAC2014入選作品展」La Galleria Pall Mall(イギリス)
2015 「日本文化月間・切り絵作品展」The City Art Gallery Plovdiv(ブルガリア)
2016 個展「さくら満ちて」岩倉実相院門跡(京都)
2017 「飛鳥光の回廊2017」飛鳥寺(奈良)
個展「光ヲ彫ル」白沙村荘 橋本関雪記念館 (京都)

縒合(よりあい)

切り絵、合成紙 協力:株式会社キヌガワ

長さ6メートルの合成紙をナイフで刻み、制作しています。題材は、明日香村に伝わる伝統行事・伝承芸能に取材して出会った龍神です。
長く農業が営まれてきた明日香村では水源がとても大切にされており、水神である龍が各所に祀られ、雨乞いの南無天踊りにも稲藁の龍が登場します。また、男綱女綱のカンジョウ掛けや、八雲琴の白と青緑で天地を表す二色の弦といったように、様々な事象に「陰陽」が見え隠れします。
ここから二頭の龍が縄のように縒り合うイメージが膨らみ、下絵を描きました。龍の通ったあとに、雲が湧き雨が降り、稲穂が実る様を光の粒で表現しています。
行事や芸能を通して脈々と受け継がれてきた祈りの心に触れ、誕生した作品です。

切り絵掛軸春図

望月 めぐみ MOCHIZUKI Megumi -切り絵掛軸春図-

切り絵、和紙 表装協力:株式会社 岡墨光堂

野に芽吹く菜を摘み、春の到来を祝う行事、春菜(わかな)摘み。
万葉集冒頭歌にも歌われています。
この絵では、春菜摘みに出た乙女が桜の下で憩っていたところ、聞こえてきた人の声にふと顔を上げた瞬間を描きました。女性の優美な曲線を、ナイフによって切り出されるシャープな線でいかに表現するかということに心を砕きました。
掛軸の仕立てにも工夫をこらし、切り絵の特性を活かしてごく薄い和紙で裏打ちし、背景が透けて見えるようになっています。
春をイメージした裂の配色、軸先の細部のデザインにもご注目ください。

Voice

望月 めぐみ MOCHIZUKI Megumi -Voice-

切り絵、合成紙

あるときは物と物を結び繋ぐ役割を果たし、横に張れば結界として断つものになる「縄」。奥明日香でカンジョウ掛けの縄を撚る手振りを実際に見せていただいたことがとても印象的でした。
この作品では、右撚り、左撚りの縄が絡み合いながら最後は一本に集約され、また続いていく様子をモチーフにしています。始まりも終わりもない長い時の物語、「声」の象徴として一枚の紙に刻みました。

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